「最近やる気が出ない」「疲れが取れない」「気分が落ち込む」——40代以降の男性で、原因不明の不調を感じる方は、男性更年期障害(LOH症候群)の可能性があります。本記事では、知っておきたいLOH症候群の症状と治療法について解説します。
LOH症候群とは
LOH症候群(Late-Onset Hypogonadism)は、加齢に伴う男性ホルモン(テストステロン)の減少により引き起こされる症候群です。「加齢男性性腺機能低下症候群」とも呼ばれます。女性の更年期障害ほど社会に認知されていませんが、40代以降の男性の約20〜30%が何らかの症状を経験するとされます。
主な症状
身体的症状
- 慢性的な疲労感、倦怠感
- 筋力低下、筋肉量の減少
- 体脂肪の増加(特に内臓脂肪)
- のぼせ・発汗・ほてり
- 関節痛・筋肉痛
- 睡眠障害(不眠・浅い眠り)
精神的症状
- 意欲・やる気の低下
- 抑うつ気分
- イライラ・不安感
- 集中力・記憶力の低下
- 自信喪失
性機能症状
- 性欲低下
- ED(勃起不全)
- 朝勃ちの減少
女性の更年期障害との違い
女性の更年期障害は閉経前後に短期間で集中的に症状が出るのに対し、男性のLOH症候群はゆっくりと進行することが特徴です。40代から徐々に始まり、自覚しにくいことが多いです。「年齢のせい」と思って見過ごされがちですが、適切な治療で改善が期待できます。
診断方法
問診
AMSスコア(Aging Males' Symptoms Scale)と呼ばれる17項目の質問票で症状の重症度を評価します。50点以上で軽度、60点以上で中等度〜重度と判定されます。
血液検査
テストステロン値(特に遊離テストステロン)を測定。早朝の採血が推奨されます(テストステロン値は午前中が最も高い)。基準値以下であれば、LOH症候群と診断されます。
治療法
テストステロン補充療法(TRT)
LOH症候群の代表的な治療法。テストステロン製剤を筋肉注射で補充します。2〜4週間に1回の注射で症状が改善することが多いです。費用は1回3,000〜8,000円程度。
漢方薬
八味地黄丸、補中益気湯などの漢方薬も用いられます。テストステロン補充の副作用が心配な方の選択肢として有効です。
生活習慣の改善
- 運動(特に筋トレ):テストステロン分泌を促進
- 十分な睡眠:夜間にテストステロンが分泌される
- バランスの良い食事:亜鉛・タンパク質を意識
- ストレス管理:慢性ストレスはテストステロンを下げる
- 禁煙・節酒
受診先
男性更年期外来、メンズヘルス外来、泌尿器科などで対応可能です。最近は専門の「メンズヘルスクリニック」も増えています。
注意点
テストステロン補充療法は前立腺がんがある方には禁忌です。治療開始前に前立腺の精密検査が必要。また、治療中はPSA値(前立腺がんマーカー)の定期チェックが推奨されます。
男性更年期障害について詳しくは日本泌尿器科学会のサイトでも情報が確認できます。