AGA(男性型脱毛症)は、日本人成人男性の約3人に1人が発症するとされる頻度の高い疾患です。「年齢のせい」「遺伝だから仕方ない」と諦めるしかなかった時代から、現在では医学的根拠に基づいた治療によって進行を抑え、発毛効果も期待できる時代になりました。本記事ではAGA治療の現状を整理します。
AGA治療の3つの柱
1. 5α還元酵素阻害薬(フィナステリド・デュタステリド)
AGAの直接的原因であるジヒドロテストステロン(DHT)の産生を抑えます。フィナステリド(プロペシア)はII型のみ、デュタステリド(ザガーロ)はI型・II型・III型すべてを阻害するため、効果はデュタステリドの方が強い傾向があります。1日1回の服用で、効果の発現には3〜6ヶ月かかります。
2. ミノキシジル外用薬・内服薬
毛包への血流を改善し、毛母細胞の分裂を促進する成分。外用薬(5%・15%)は市販でも入手できますが、内服薬は医療機関でのみ処方可能。発毛効果が期待できますが、副作用として動悸・むくみが出る可能性があり、医師の管理下での使用が望ましいです。
3. メソセラピー(注入治療)
毛根に直接、成長因子・ミノキシジル・ビタミンなどを注入する治療。即効性は高いものの、施術1回あたり3〜8万円と高額。長期的には内服+外用の組み合わせが主流です。
効果が出るまでの期間
AGA治療は即効性ではなく、毛周期(ヘアサイクル)を整えていく治療です。一般的な目安は以下のとおりです。
- 1〜3ヶ月:初期脱毛(休止期の毛が抜けて、新しい毛が出る準備)
- 3〜6ヶ月:抜け毛の減少を実感
- 6〜12ヶ月:産毛が太くなり、密度感が出始める
- 1年以降:発毛効果が安定、維持治療へ移行
費用の目安
- フィナステリド:月3,000〜8,000円
- デュタステリド:月5,000〜12,000円
- ミノキシジル外用:月2,000〜6,000円
- ミノキシジル内服:月7,000〜15,000円
- メソセラピー:1回3〜8万円
AGA治療は自由診療のため健康保険は適用されません。複数のクリニックでカウンセリングを受け、コスト・治療方針を比較することをおすすめします。
治療継続のポイント
AGA治療は「治療をやめれば再び進行する」という性質があります。効果が出てきたタイミングで、低用量での維持治療に切り替えるなどの工夫が必要です。担当医とよく相談しながら、長期的視点で取り組みましょう。
AGA診療の標準的ガイドラインは日本皮膚科学会から公表されています。
※本記事の情報は医療アドバイスではありません。AGA治療については必ず専門医にご相談ください。